- Aug 05 Tue 2008 20:13
今週の本棚:川本三郎・評 『八日目の蝉』=角田光代・著
- Jul 29 Tue 2008 20:10
今週の本棚:池内紀・評 『日本語は天才である』=柳瀬尚紀・著
- Jul 22 Tue 2008 20:10
今週の本棚:若島正・評 『評書評家<狐>の読書遺産』=山村修・著
(文春新書・777円)
◇共感のさざなみ、かきたてられて
もしもわたしが一冊の本だったら--というのは変な想像かもしれないが、『書評家<狐>の読書遺産』を読んでいると、ついそう思ってしまう。もしもわたしが一冊の本だったら、他の誰でもない、<狐>に読んでもらいたい。そしてできることなら、書評を書いてもらいたい。書評家<狐>こと山村修は、そう思わせるほど希有な読み手であり書き手だった。
- Jul 15 Tue 2008 20:08
今週の本棚:丸谷才一・評 『運命論者ジャックとその主人』=ドニ・ディドロ著
(白水社・3570円)
◇クンデラ絶賛のフランス18世紀小説
一九六八年、いわゆるプラハの春を抑圧するため、ロシアがチェコを占領した。クンデラはチェコ共産党から二度目の除名を受け、大学助教授の職を失い、著作活動を禁止された。援助の手がさしのべられたなかに、ある演出家からの、彼の名でドストエフスキー『白痴』の脚色をしないかという申し出があった。クンデラは『白痴』を読み返し、断り、代案としてフランス十八世紀の作家(というよりむしろ思想家として名高い)ディドロの長篇小説『運命論者ジャックとその主人』をあげた。
- Jul 08 Tue 2008 20:06
今週の本棚:若島正・評 『美術愛好家の陳列室』=ジョルジュ・ペレック著
(水声社・1575円)
◇「ありそうで実はない絵画」を楽しむ
フランスの実験文学集団「ウリポ」の一員として知られるジョルジュ・ペレックが、代表作となる大作『人生 使用法』(一九七八年)を完成させた後に、次に書いたのがこの中篇『美術愛好家の陳列室』(一九七九年)である。